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トゥバ奮闘旅行記 8 さよならトゥバ

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トゥバクズパーティ~さよならトゥバ<6/17>

6/17、クズル最後の日。明日の朝、ハカス共和国のアバカンへ向けて出発する。いよいよ、トゥバとのお別れが近づいてくる。

クズルに到着した初日、6/7のコンサートは、トゥバクズ(トゥバの娘たち)というグループがメインで、そのリーダーであるチョトラーさんが、国民栄誉賞を授与されたことを記念して開催されたものだった。トゥバクズは、珍しい女性だけのホーメイグループで、日本を始め、世界各地でコンサートも行っている。コンテストでも、トゥバクズはアンサンブル部門で入賞を果たしていた。チョトラーさんは、後進の育成を始め、長年ホーメイの発展に尽くして来られた方で、その功績が認められての受賞だそうだ。でも全く偉ぶらず、とても気さくで親切な女性だ。

そのチョトラーさんが、我々を夕食に招いてくださった。行ってみると、20人ばかりの関係者が集まる、気安い楽しい会だった。うまい地ビールを堪能していると、そのうち、ダンシングタイムが始まり、と思いきや、いきなり、いす取りゲームが始まり大騒動になる。ほかにも、いろいろゲームをして、いや~、楽しかったです。飲み会で、こんなにはしゃいだのは久しぶり。しかし、トゥバクズは楽しみ方が上手だなあ。結婚して子供を育てながら活動しているメンバーも結構いる。恐れ入りました。

クズルの街を流れるエニセイ川。川幅は狭まっているが流れは、結構速い。

この日は、クズルのコッテージホテルというところに泊まる。可愛いプチホテルという感じだが、部屋が2部屋もあって広い。でも、この日は街中でお湯がでないそうで、水シャワーにしかかかれなかった。フロントでそういわれたときは、「そっか、仕方ないなあ」と当たり前に思ったが、よくよく考えてみると、「街中全部でお湯がでない」ってどういうこと??そのとき大して不思議にも思わなかったということは、私もすっかりトゥバに感化されたということだろう。

 

 

 

13日にクズルで観たエンターテイメントの主演女優さんと。仔馬の役がとても素敵だった。アバカンまで同行。

翌日は、朝からまた、車でサヤン山脈を眺めながら来た道を戻る。風景もすっかり見慣れてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

レーニン流刑地。広い。

途中で、レーニンの流刑地に立ち寄る。流刑地とは言っても、7.5ヘクタールもある広い敷地に、家や畑、雑貨屋や酒場まであり、ちょっとした別荘地のようだった。なんだかうらやましい。が、WEB環境なしで死ぬまでここにいるのは、確かに辛いかも。

 

 

 

 

 

楽器工房。コンサートのおまけつき。

アバカンでは、楽器工房に行って口琴と小さな太鼓を買った。いつか、イギルや口琴を使って歌いたい。

 

 

 

 

 

そして、6/19、帰路に着いた。

それにしても、濃い旅でした。日本に帰って、しばらく、ほけーっとしていた。

以前に、アゴタ・クリストフというハンガリ―出身の女流作家の手記を読んだ。彼女は、ハンガリー動乱のときに、乳飲児を連れて、森を抜け、徒歩で命からがらスイスに逃げた。無事にスイスに着いて、現地の人に親切に迎えられ、快適なアパートと時計工場の安定した仕事を与えられたが、一緒に亡命した10名の仲間のほとんどは、しばらくして投獄覚悟でハンガリーに戻って行った。自殺した若い女性もいたそうだ。

なぜだろう?当時のハンガリーの生活は、全般にとても貧しく、アゴタも子どもの頃、はきつぶすまで靴を履き、洋服もおさがりばかりで、食事も満足に取れなかった。ハンガリーも平原が多い地形で、子供の頃は平原でよく遊んだそうだ。私の勝手な思い込みだが、平原の風景は、人の心に独特な郷愁を植え付ける力があるのかもしれない。山にも、海にも、それぞれ、そうしたものがあるのと同様に。きっと私のDNAが平原に心魅かれるようにできているのだ、と信じてみる。すでに「トゥバに帰りたい」という思いが芽生えてきた。これは、相当にやばい。

とりあえずは、せっかく習ったホーメイを、ちゃんと歌えるようになりたいものである。毎日、イギルとカルグラ(おいおいホーメイ)の練習から始めよう。いずれ、どこかで唄う機会があることを祈りつつ。

このツアーを企画してくださった巻上氏はじめ、無理矢理にステージに立たせてくださった先生方、そして、ここに書ききれない、たくさんのエピソードを共有できた旅の仲間に、心からの感謝を!

トゥバの情報を日本で入手したい方は、日本トゥバホーメイ協会のHPへ。

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